悲劇の崇徳上皇と【白峰神宮】とは。
白峯神宮を語る前に、NHK大河ドラマ『平清盛』を見た方はお分かりと思うが、
『崇徳上皇』は保元の乱に敗れて讃岐に流されて、その地で歿している。
崇徳上皇が亡くなってから、天変地異が相次いだことから上皇の祟りとされ、瀬戸内の景勝地・五色台の白峰の山腹に上皇が葬られた白峯陵(香川県坂出市)があり、とその前に上皇を白峯大権現として祀る御影堂が建立されている。
その後、都で異変が続きこれが上皇の祟りとされたため、歴代天皇をはじめ公卿・武将が慰霊の誠を尽くし、多くの寄進の結果、最盛期は21坊を数えるほど興隆したとある。
その後、火災や兵火に遭うこともたびたびであったが、領主の生駒氏・松平氏によって再建されている。
明治2年(1869)明治天皇の勅命により、崇徳上皇の御霊は京都の白峯神宮に遷された。
幕末の動乱期、孝明天皇は異郷に祀られている崇徳上皇の霊を慰めるため、その神霊を京都に移すよう幕府に命じたが、その後間もなく崩御した。子の明治天皇がその意を継ぎ、現在地に社殿を造営し、慶応4年(1868年)、御影堂の神像を移して神体とし白峯宮を創建している。
更に、明治6年(1873年)には、藤原仲麻呂の乱に巻き込まれて淡路に配流され、そこで亡くなった淳仁天皇(淡路廃帝)の神霊を淡路から迎えて合祀し、官幣中社とした。昭和15年(1940年)に官幣大社に昇格し、神宮号の宣下を受けて白峯神宮となっている。
白峯神宮の創建は以上のような経緯となっている。
白峯神宮は堀川今出川にあり、過去は分からないが。現在のつくりは外から見るとこじんまりとしたつくりになっている。
表門には駒札があり、「御由緒」が書かれてある。
表門を入って右手には、この神宮の主役である崇徳上皇の碑があった。
左手に社務所があり、ここでご朱印がいただける。
白峯神宮の社地は、元は蹴鞠の宗家であった、お公家さんの飛鳥井家の屋敷の跡地である。
神宮ができた後、明治36年の蹴鞠保存会ができその石碑があった。
この石碑には、撫で鞠がついており、これを一回しするとご利益があるとのこと。
本堂が正面にあり、ここにお参りするとスポーツの必勝祈願になる。
摂社の地主社に祀られる精大明神は蹴鞠の守護神であり、現在ではサッカーのほか、球技全般およびスポーツの守護神とされ、サッカーをはじめとするスポーツ関係者の参詣も多く、社殿前にはサッカーやバレーボールの日本代表チームや、Jリーグに所属する選手などから奉納されたボールなどが見られる。
スポーツ上達の神様である精大明神には「地主社」が祀られているが、残念ながらお参りは、この摂社ではなく、本堂におまいりする人が殆どである。
本来、崇徳上皇の怨霊を鎮める目的の神社だが、今はスポーツの神様となっているようだ。
考え方を変えると、スポーツで明るさを取り戻したことで、崇徳上皇も大満足しているような気がする。
また、武道の神様「伴緒社(とものうしゃ)」は、保元の乱で崇徳上皇とともに敗れた、源氏の棟梁であった、源為義とその子為朝が祀られている。
(崇徳上皇とは)
崇徳天皇は幼くして、天皇になったがために、実権は常に父・鳥羽上皇が握り院政が敷かれており、しかも24歳の若さで天皇を退位させられてしまう。
その後も鳥羽法皇や後白河天皇に政治の主導権を握り続けられていた崇徳上皇は、この状況を打開すべく鳥羽法皇崩御を契機に左大臣・藤原頼長卿をはじめ平忠正や源為義といった武士を味方に付けて実権を握るべく、挙兵する(保元の乱)が、後白河天皇側に付いた平清盛や源義朝たちに敗れ、讃岐国への流罪に処しられてしまう。
讃岐国での崇徳上皇は仏教を厚く信仰し、極楽往生を願って五部大乗経の写経に専念し、出来上がったその写本を朝廷に奉納するが、「呪詛が込められているのではないか」との疑いを持った後白河法皇に受け取りを拒否されてしまう。
これに激しく怒った崇徳上皇は、自らの血で写経に呪詛の言葉を書き込み、夜叉のような姿となって1164(長寛2)年に無念の最期を遂げている。
その結果、都での異変が祟りと思われ、讃岐の白峯寺の建立や、孝明天皇の心情として、「異郷に祀られている崇徳上皇の霊を慰めるため」、崇徳上皇の御霊を京都の白峯神宮に遷された。となったのである。
歴史的に見て、怨霊が祟りとなったと見るケースが非常に多いが、その代表的なのは菅原道真の怨霊であろう。
この項 <完>
by mo-taku3 | 2012-09-30 14:27 | (寺社)京都の神社仏閣 | Comments(4)
資料には神霊を移したとありました。その時御影堂は意味をなさなくなったようです。
かなり具体的な資料を見つけましたのでご覧ください。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~hidesan/shiramine-jingu.htm
編集人のヒデさんも 凄い人ですね このサイトはとても勉強になりそうです
更に楽しくなってきました。