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日本で一番古い神社の一つ『大神(おおみわ)神社』(奈良)20160822

日本で一番古い神社の一つ『大神(おおみわ)神社』(奈良)20160822


日本で最古の神社の1つとされているが、建てられた年代は勿論不明である。
神体(神体山)は、三輪山そのものとしており、本殿はもたず拝殿から三輪山自体を神体として仰ぎ見る古神道(原始神道)の形態を残している。
自然を崇拝する原始神道の形態をとっており、この三輪山信仰は縄文時代か弥生時代にまで遡るといわれている。
例年11月14日に行われる醸造安全祈願祭(酒まつり)で拝殿に杉玉が吊るされる、これが各地の造り酒屋へと伝わっていった。

また、全国各地に大神神社・神神社(美和神社)が分祀されていることについては、『延喜式神名帳』(『延喜式』巻9・10の神名式)にも記述があるとおりだが、その分布は、山陽道に沿って播磨(美作)・備前・備中・周防に多い。これは、吉備国を征服する時に大和王権によって分祀されたのではないかと推測されている。

祭神は、
主祭神  大物主大神 (おおものぬしのおおかみ、倭大物主櫛甕玉命)
配神   大己貴神 (おおなむちのかみ)、少彦名神 (すくなひこなのかみ)

大物主神は蛇神であり水神または雷神としての性格を持ち稲作豊穣、疫病除け、酒造り(醸造)などの神として篤い信仰を集めている。また国の守護神(軍神)、氏族神(太田田根子の祖神)である一方で祟りなす強力な神(霊異なる神)ともされている。
とにかく、出雲神が祀られているということから、大和古代都市国家成立における過程を想像すると非常に興味深く感じられる。

大神神社の起源については、記紀に次の記述がある。
「大国主神(大己貴神)は出雲国を拠点に国造りに励んでいたが、協力者である少彦名神が常世国に去ったため思い悩んでいると、突如、海原を照らして神が出現した。
その神は「吾はお前の奇魂幸魂である」といい、「吾は大和国、三輪山に住みたいと思う」といったという。」
その神が大物主神であるが、大物主神は大国主神の同一神であるという説もある。
崇神天皇7年に天皇が物部連の祖伊香色雄(いかがしこを)に命じ、三輪氏の祖である意富多多泥古(太田田根子)を祭祀主として大物主神を祀らせたのが始まりとされる。
日本書紀では天皇が天変地異に加え疫病の流行に宸襟を悩まされているとき、夢枕に大物主神が立ち、「こは我が心ぞ、意富多多泥古(太田田根子)をもちて、我が御魂を祭らしむれば、神の気起こらず、国安らかに平らぎなむ」と告げたとされる。
天皇は早速、太田田根子を捜し出し、三輪山において祭祀を行わせたところ、天変地異も疫病も収まったという。
国史には奉幣や神階の昇進など記事が多数あり、朝廷から厚く信仰されていたことがわかる。
貞観元年(859年)2月、神階は最高位の正一位となっている。

桜井と天理の間の国道169号線沿いにこのようなひときわ大きい大神神社の一の鳥居がたっている。
その下には、『三輪明神』の標柱もたっている。

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その鳥居をくぐって進むと駐車場があり、そこからは徒歩でお参りとなる。
お参りの最初は、二の鳥居で、横には「大神神社」と書かれた石標がある。

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「駒札」には『大和一の宮 三輪明神 大神神社』と書かれている。

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拝殿を正面に見て、階段を上がると『拝殿がある』。
先にも述べたが、ここは三輪山そのものがご神体となっており、お参りするところは拝殿となる。

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『巳(み)の神杉』。
日本書紀には、大物主大神が蛇神に姿をかえていた、ことが載っているが、この杉の祠から出入りしたことから、『巳(み)の神杉』として崇められている。

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『久すり道』。さまざまな薬になる草花や木がこの道沿いに植られている。
この道を通り三輪さんへの入り口がある『狭井神社』へ向かう。

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薬の神様としての、「少彦名神」が祀られている、磐座神社があり、背後には神体山である三輪山がある。

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摂社の『狭井神社』

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御神体山への上り口。よく説明を聞いて登って、神聖な空気を感じましょう。

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御神水が狭井神社にあります。

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末社である、久延彦神社に向かう途中に展望台がある。
ここから見える景色は、古代人が躍動した大地として展開している。

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元々、原始信仰は御神体山としての磐座信仰であったと言われています。
大和に古代都市国家があったことが、纏向遺跡で明らかになったが、三輪山信仰はそれ以前の大和地域の住人の磐座信仰だったのだろう。
大神神社そのものは、天孫族が入り込んでから建てられたものと思われる。




この項 <完>

by mo-taku3 | 2013-08-22 13:38 | (寺社)関西の神社・仏閣 | Comments(0)