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浄土宗大本山の一つ百萬遍のお寺『知恩寺』20140813

浄土宗大本山の一つ百萬遍のお寺『知恩寺』20140813


法然上人によって開かれた浄土宗は、今から約800数十年前、賀茂の神宮寺(京都市上京区、現在の相国寺のあたり)を居とし、洛中の人々に念佛を説いていた。
当時「賀茂の禅坊」と呼ばれこの「百萬遍知恩寺」の前身となる。
建暦2年(1212年)正月25日法然上人は死後、法然上人の直弟子勢観房源智上人が師の徳を偲ぴ、恩を知るお寺、「知恩寺」と名付けられ現在に至っている。
一般的には「知恩院」の方が名が通っているが、浄土宗の歴史を受け継いだお寺であるようだ。
元弘元年(1331年)、都に疫病が蔓延した際、後醍醐天皇の命により七日七夜百萬遍の念仏を唱えたところ疫病が治まったことから「百萬遍」の号が下賜されたといわれている。(地名にもなっている。)
その後、幾度かの移転の後、江戸時代に入り、寛文2年(1662年)に現在の地に移転された。
現在の御影堂は、寛文7年(1667年)7月、時の将軍より金五百両を賜り、更に全国を行脚して建てたもの。阿弥陀堂・釈迦堂・御影堂や七堂伽藍がそろい、特に御影堂は総欅造りの荘厳なものである。
私自身、このお寺は初めて目にした位、地味で目立たないが、浄土宗七本山の一つである。
(ちなみに「知恩院」が総本山)
什宝等の保存も良く行われている。浄土宗本山の中で、江戸幕府等政治の中枢から遠い存在でその疵護の少ない智恩寺が、かくも数々の名宝を存していることはまことに不思議と言われている。


智恩寺の総門前には、「百萬遍念佛根本道場」とある。

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門には、「勅賜 百萬遍知恩寺」の表札が掲げられている。

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本堂。

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本堂には、本尊として「阿弥陀如来」おかれている。
(堂内の写真撮影禁止の寺社が多いが、ここはそれがないので気持ちがいい)

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釈迦堂には「釈迦牟尼如来像」祀られている。

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百萬遍大念珠繰り
後醍醐天皇の御代元弘元年(1331年)8月、都で大地震が起こり、その上悪疫が流行して、多くの横死者が出た。
勅命により当山第8世善阿空円上人は宮中に参内し、七日七夜を期して阿弥陀佛の御名を称えること百萬遍におよんだところ、疫病は止み、帝は御感のあまリ「百萬遍」の勅号と弘法大師御作の大利剣名号軸及び540顆の念珠を下賜された。
それ以来、諸祈願の法会としてこの大利剣名号軸を掲げ、僧俗が輪になり念佛を唱えながら大念珠を繰る作法が「百萬遍大念珠繰り」として全国各地に広がり、特に京都の人々には大念珠繰りの寺「百萬遍さん」と親しまれている。
百萬遍念佛根本道場の知恩寺には御影堂に1080顆の大念珠が掲げられ、大法要や団体参拝の際には、大念珠繰りが行われている。



この項 <完>

by mo-taku3 | 2014-08-13 08:50 | (仏閣)京都のお寺 | Comments(0)