京都御苑内に鎮座している宗像神社は、北家藤原氏の祖、藤原冬嗣が795年(延暦14)に、平安京の東西両市の守護神として筑前国の宗像神社を勧請したのが創祀とされ、その後冬嗣の自邸小一条第に移したと伝えられる。
小一条第は花山院家が相続したことから同家が別当となる。
東京遷都にともない公家町は御苑になされ、邸内社が府社となった。
御神木の楠は樹齢600年とも800年とも言われ、境内には花山稲荷神社・京都観光神社・小将井神社・繁栄稲荷神社・金比羅宮がある。
例祭、9月15日。近年は例祭日の後の日曜日又は祝日に、神賑いの日として神楽舞など奉納を行っている。
春と秋には花山稲荷神社・京都観光神社の祭礼があり、神楽舞やヴァイオリンのミニコンサートなど奉納がある。
1~2月の境内では水仙が咲き乱れる。4月上旬は桜。10~11月にカリンの実がたわわに実る。紅葉の木も色づく11月中旬から下旬が見頃である。
宗像大神は、古事記、日本書記にも載っているとおり、天孫降臨に先立って、
御親神天照大御神より、
「汝三柱の神は、宜しく道の中に降りまして天孫を助け奉りて、天孫の為に祭かれよ」
と御神勅をいただいて、九州の福岡の宗像の地誕生したのが総本宮である。
京都御所の宗像神社は、延暦十四年(平安京創立の翌年)太政大臣藤原冬嗣公恒武天皇の勅命に依って、皇居鎮護の神として祀られたのが始めとある。
殊に京都御所の御苑内の南西にあたって鬼門を守る位置にあり方除けの神として市中のなじみ深く建築関係者の参拝が特に多いのも、その御鎮坐の縁起によるものです。


本殿。



京都観光神社 1969年建立。御祭神は猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)。
昭和の時代になり、京都を訪れる観光客が急増し、その無事息災を祈念し、観光客を迎える全ての観光業者が一丸となって、併せて業界の発展のため、道案内の神をお迎えして建立された。


この項 <完>
▲ by mo-taku3 | 2015-06-25 11:02 | (寺社)京都の神社仏閣 | Comments(2)